川崎市幸区との協働事業2年目がスタートしました。
「ゆめカフェ2024」第一回目の会場は幸盛ハウス。育児の悩みを気軽に話せる場「子どもの発達交流会」とのコラボが実現しました。参加者は子育て真っ最中のお母さんたちです。
まず最初は、「ユメカ」の制作から始まります。ユメカとは、簡単に言うと自己紹介カード。得意なことや苦手なことから、いつか実現したい願いまで、ひと目で分かるカードです。
参加者はそれぞれ自分が作ったユメカを使って自己紹介をしました。毎回、一番会話が盛り上がるのは、「夢」のところ。夢ってどんなことを書けばいいんだろう……と最初はとまどう方が多いのですが、「大きな夢じゃなくて、暮らしの中でちょっとHappyになれそうなことを書いて下さいね~♪」と伝えると、どんどん出てきます。「きれいな海をぼーっと眺めたい」「愉快に元気に暮らすこと」「子どもを自立させる」「心おだやかに暮らしたい」「北海道の田舎に戻ってのんびり暮らしたい」「シドニーに住みたい」etc……。
参加したメンバーは、以前からの知り合いも多かったのですが、「へえ!初めて知ったよ」「そんな特技があったんだね」とお互いに新たな発見があったようです。ユメカのイメージキャラクターに任命されたガオウも会話に加わって、場が和やかになったところで、次は参加者同士の交流会です。
ふだん感じている漠然とした不安や気になることについて思い思いに話しまのす。
「保育園での集団生活になじめない」「スケジュールが急に変わるとパニックになる」「好きなことだけしか取り組まない」「子どもの特性について両親や周囲の理解が得られず困っている」。
お母さんたちは一人ひとりの話に耳を傾け、自分の経験を話します。「私もそういうことあった」「パニックの時は、こんなツールがあるといいよ」「近所の施設に相談したよ」「こんなデイサービスがあるよ」。あっという間に時間が過ぎ、修了予定の時刻を過ぎても会話は尽きませんでした。
今回は、知的障害のある20代のAさんが親子で参加しました。Aさんのお母さまは、「自分が子育てをしていた時は、こんなふうに本音をざっくばらんに語れる場がありませんでした。自分の親にも子供の障害のことを理解してもらえなくて孤立し、精神的に追い詰められたこともあります。辛いときに話を聞いてもらえる場所があるだけで安心できます」と話していました。
アニメが大好きなAさんがユメカに書いた夢は、「趣味が合う人と結婚したい」。
ゆめカフェが終わったあと、参加者の方からこんなメッセージをいただきました。「今日のお話を聞いて、勇気と希望の光をいただきました。Aさんの夢、ステキでした。いつか、息子もAさんのように夢を語れる日が来ますように!!」。
そう言えば、好きなことをしている時って子どもの目は生き生きと輝いています。ふだんはつい課題にばかり注目しがちけれど、こんなふうに夢を語れる大人に育ってほしい。明るい希望の光が見えた交流会になりました。
この日はちょうど台風が接近して、大雨の中赤ちゃんを連れて参加してくださったお母さんたち。帰りはちょうど雨が上がって、ニコニコ笑顔で解散しました。
ゆめカフェを開催すると、毎回新たな出会いが生まれます。じつは、今日の交流会も昨年のゆめカフェでつながったご縁がきっかけとなり、子ども発達交流会とのコラボが実現したのです。今回も、素敵な出会いがありました。交流会を主催するパワフルママYさんや、地元で長く老舗書店を営んでいるKさん。後から聞くと、Kさんは障害者の就労支援に力を入れているのだそう。ゆめカフェでの出会いが、思いがけない次の展開に結びついている。いつの間にか夢が叶う日が近いような、そんな気がしています。いつも支えてくれるまさ出版のメンバーとゆめカフェに参加してくださった皆さんに心から感謝。
お母さんやお父さんがゆっくりおしゃべりできるようにと、赤ちゃんのお世話を担当してくれた区役所のMさん、ありがとうございました! ゆめカフェの一番大きな目的は、お母さんやお父さんが笑顔になる場を作ること。どんなに厳しい環境でも、親が幸せを感じていることが、子どものパワーになると信じています。
ゆめカフェ1回目から、オンラインで参加してくれているBさん。発達障害をもつ40代の男性です。彼が子どものころは、現在と比べると発達障害に関する情報も少なく、周囲の理解が得られなくて、親子ともに精神的に追い詰められました。Bさんは今もほとんど外に出ることができず、日常生活に支障をきたすほどの重い2次障害に苦しんでいます。あのとき、もっと周囲の理解があったなら、本音で話せる場があったなら、、。生まれたときから彼を知っている私は、そんな思いが消えず、ゆめカフェをスタートする原動力になりました。子どもと家族みんなの笑顔が広がりますように。それが、ゆめカフェの願いです。